Keys and their corresponding keyways
1.適用範囲
この規格は一般の機械に用いる鋼製の平行キー、こう配キー及び半月キー(以下、これらを総称してキーという。)並びにこれらに対応するキー溝について規定する。
備考1. この規格の引用規格を、次に示す。
JIS B 0651 触針式表面粗さ測定器
JIS Z 2241 金属材料引張試験方法
備考2. この規格の対応国際規格を次に示す。
ISO/R 773-1969 Rectangular or square parallel keys and their corresponding keyways
ISO/R 774-1969 Taper keys with or without gib head and their corresponding keyways
ISO 3912-1977 Woodruff keys and keyways
2.キーの種類及び記号
キーは、その形状によって6種類とする。(表1)
形状 | 記号 | |
平行キ ー | ねじ用穴なし | p |
ねじ用穴付き | PS | |
こう配キ ー | 頭なし | T |
頭付き | TG | |
半月キ ー | 丸底 | WA |
平底 | WB |
キーの端部(図1)
平行キーの端部は、その形状によって3種類とする。 なお、指定がない場合には両角形とする。
両丸形 | 両角形 | 片丸形 |
(記号A) | (記号B) | (記号C) |
備考 丸形の端部は、受渡当事者間の協定によって大きい面取りとしてもよい。
3.キーの品質
外観
キーの外観には、割れ、及び有害なきず・まくれ・さびなどがあってはならない。
強度
キーの引張強さは,既定の測定方法によって測定し,600N/m㎡以上でなければならない。
4.キーの形状及び寸法
(1)平行キ一:平行キーの形状及び寸法は、付表1による。なお、端部の形状は、図1による。
(2)こう配キー:こう配キーの形状及び寸法は、付表2による。
(3)半月キ一:半月キーの形状及び寸法は、付表3による。
5.キーと軸・ハブとの関係
キーは、軸及びハブのキー溝の寸法許容差を選択することによって、表2に示す3種
類の結合に用いる。
キーによる軸・ハプの結合(表2)
形式 | 説明 | 適用するキー |
滑動形 | 軸とハブとが相対的に軸方向に滑動できる結合 | 平行キー |
普通形 | 軸に固定されたキーにハプをはめ込む結合(1) | 平行キー、半月キー |
締込み形 | 軸に囲定されたキーにハプを締め込む結合(1)、 又は組み付けられた軸とハブとの聞にキーを打ち込む結合 |
平行キー、こう配キー、半月キー |
注(1)選択はめあいが必要である。
6.キー溝の形状・寸法
キー溝の形状及び寸法は、次による。
(I)平行キー用:平行キーに用いるキー溝の形状及び寸法は、付表4による。
(2)こう配キー用:こう配キーに用いるキー溝の形状及び寸法は、付表5による。ただし、ハブの溝には、1/100のこう配を付けるのがよい。
(3)半月キー用:半月キーに用いるキー溝の形状及び寸法は、付表6による。
7.測定方法
引張強さ
キーの引張強さは、JIS Z 2241によって測定する。
表面粗さ
キーの表面粗さは、JIS B 0651に規定す測定器、又は同等以上の性能をもっ測定器を用いて測定する。
寸法・幾何偏差
平行キ一
平行キー及びキー溝の寸法及び幾何偏差の測定方法は、次による。
(I)キーの幅(b)及び高さ(h)の測定箇所は、長さが20mm以下のものは任意の1か所、20mmを超え100mm以下のものは任意の2か所、100mmを超えるものは任意の3か所とする。
(2)キーの真直度は、長さ(l)が幅(b)の5倍を超えるものについて、幅方向及び高さ方向において、両端部に対する中央付近の出っ張り又はへこみを測定する。
(3)軸のキー溝の幅(ム)及び深さ()、tの測定箇所は(I)と同じとし、ハブのキー溝の幅(ん)及び深さ(t2)については両端部付近とする。
こう配キー
こう配キー及びキー溝の寸法の測定方法は次による他、平行キーの表記に準じる。
(1)キーの高さ(h)の測定箇所は、頭なしこう配キーでは大端部、頭付きこう配キーでは頭部からf離れた箇所とする。
(2)ハプのキー溝の深さ(t2)は、大端部で測定する。
(3)キー及びキー溝のこう配は、1/100のこう配をもつ測定用ブロックをキーまたはキー溝のこう配面に当てて、両端部の付近の高さを測定して求める。
半月キー
半月キー及びキー溝の寸法の測定方法は平行キーの表記に準じる。
検査
キーの検査は、品質及び形状・寸法について行い、それぞれ3.及び4.の規定に適合しなければならない。
製品の呼び方
キーの呼び方は、規格番号、種類(又はその記号)及び呼ぴ寸法×長さ(半月キーでは呼び寸法だけ)による。ただし、ねじ用穴なし平行キー及び頭なしこう配キーの種類は、それぞれ単に“平行キー”及び“こう配キー”と記してもよい。なお、平行キーの端部の形状を示す必要がある場合には、種類の後にその形状(又は短線を挟んでその記号)を記にす。
例1. JISB1301 ねじ用穴なし平行キ一 両丸形25×14×90 又は、JISB1301P-A25×14×90
例2. JISB1301 頭付きこう配キー20×12×70 又は、JISB1301TG20×12×70
例3. JISB1301 丸底半月キー3×16 又は、JISB1301WA3×16
表示
キーの包装には、次の事項を表示する。
(1)種類又はその記号
(2)呼び寸法×長さ(半月キーの場合には呼び寸法だけ)
(3)端部の形状又はその記号(平行キーの場合)
(4)材料記号
(5)製造業者名又はその略号